お金はいくら?~成年後見制度を利用するときの費用~知る⑤

成年後見制度を少しずつ知っていただく企画の5回目です。

成年後見制度を利用するといったい、いくらかかるの?
と不安になると思います。

本記事を読むと

法定後見の費用の概要

が、わかります。

<法定後見と任意後見の違いについて→こちらの記事をどうぞ

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目次

どんなことにお金がかかるか?

成年後見制度の利用は、申立てから始まります。
<別記事→手続きについて

申立ての際、収入印紙や切手を納めます。
そのほかにも、以下のことに費用がかかる場面があります。

申立て費用
鑑定費用
書類作成を専門職に依頼する費用
後見人の報酬
後見監督人の報酬
付加報酬

負担者はだれ?という問題もあります。

一つ一つ見て参ります。

申立て費用


後見(保佐、補助)開始の申立てをする際、費用がかかります。

ザックリと結論から申しますと、
だいたい1万5千円~2万円くらいで申立てができると言われています。

申立て費用は、家裁に手数料として納める部分と、添付書類を取り寄せるのに必要な費用があります。
内訳は以下のとおりです。

家裁に収める部分


手数料(収入印紙で納めます)
     登記手数料の収入印紙 2600円分
     申立手数料の収入印紙 800円分
     補助・保佐の場合は上記プラス
      同意についての定め 800円分
      代理権の定め    800円分が必要です。

切手  後見 3470円分
     保佐・補助 4500円分
     ☆切手は何円切手を何枚・・という内容が決まっています。
      詳細は、本人の住所地の家庭裁判所で確認すると良いと思います。

・(鑑定が行われる場合は鑑定費用→後述します)

鑑定を除いて、家裁に収める分の費用は、合計でだいたい
6870円~9500円くらいとなります。

添付書類にかかる部分

診断書 (後見用の医師の診断書)
医療機関によりますが5000円から1万円くらいと言われています。

戸籍全部事項証明書 450円
(本人の本籍地の自治体に確認してください)

住民票の写し   300円
    (本人住所地の自治体に確認してください)

登記されていないことの証明書 300円
     法務局・地方法務局の本局で発行してもらえます。
    (東京法務局へ郵送申請する場合は別途往復の郵送代も必要です)

不動産の登記事項証明書 600円
     ☆不動産がある場合のみ

候補者の住民票の写し 300円
     ☆後見人になる候補者がいる場合のみ

・(本人情報シート作成が有料の場合もあります。)

上記でだいたい
6050円から11950円くらいです。書類取り寄せに郵便を使うとその分も費用が必要になります。

鑑定費用

後見開始、保佐開始、補助開始の申立てをした後、
家庭裁判所から「鑑定が必要」と伝えられるケースがあります。

どの類型に属するか判断が微妙なケースでは、すでにある医師の診断だけではなく「鑑定で詳しく調べる」ということになります。

鑑定を求められる割合は少なめです。
令和3年場合は約5.5%と発表されています。

鑑定の際、申立人は、鑑定の費用を家庭裁判所に納めます。

鑑定費用は、5万円程度という家裁の説明もありますが、統計によると、5万円以上10万円以下の方も多めです。

東京家裁では、10~20万円という説明書きもあります。


したがって、鑑定費用は、5万円から10万円くらい、
高い場合は10~20万円くらいと考えると良いでしょう。

書類作成を専門職に依頼する費用

後見開始の申立て書類を専門家に依頼することもできます。

書類作成だけなら司法書士、
書類作成プラス申請代理もお願いするなら弁護士

にお願いします。

弁護士・司法書士以外の人には依頼できません。

書類の作成等を弁護士や司法書士にお願いする場合、
先述の申立て費用とは別に、弁護士・司法書士への報酬が必要です。

報酬は、弁護士さんや司法書士さんによって異なりますが、
だいたい10万円から20万円くらいと言われています。

個別にご確認をお願いします。

後見人の報酬

後見人等は、本人(成年被後見人等)から報酬を受け取ることができます。

前項までは、後見開始の申立時に、一時的に払う費用でしたが、
報酬は、後見が開始され、終了するまで(多くは亡くなるまで)、ずっと続く費用です。

後見人等が、報酬を受け取る流れとしては、
まず、報酬を受け取るための手続きを後見人等が行います。

一年間の後見事務が終わった後、定期報告の際に
報酬付与の申立てを行う・・という手続きです。

家裁が審判し、報酬を受けて良いという内容の審判があれば、
報酬を受け取ることができます。

金額は、家裁が定める金額です。

本人や親族が報酬金額を定めるわけではありません。

報酬額のめやすは、各家裁のWebサイトに載っていますが、
だいたい月額2万円程度です。

財産が多い場合は、もっと高額の報酬になります。

付加報酬

また、
遺産分割など特別な後見事務があった年は、報酬額が加算される場合があります。

無報酬?

後見人が後見事務についての報酬を受け取るには報酬付与の申立てをする必要があります。
逆に、後見人が報酬を受け取らないこともできます。
特に親族の後見人を務める方は、報酬付与の申立てを行わないこともあります。

もちろん、親族であっても、報酬を受け取るために報酬付与の申立てを行うことが可能です。
親族だから報酬をもらえないという決まりはありません。

後見監督人の報酬

後見監督人等(成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人)は、
家裁の判断で選任される人たちですが、
報酬が発生します。

後見監督人等は、親族ではなく、専門職が就くことがほとんどです。

したがって、

「情で無報酬にする」「報酬付与申立てをしない」ということはありません

そのため、必ず報酬が発生すると考えます。

報酬額は裁判所が決めますが、月額1~2万円程度が目安とされています。

費用の負担者について

申立人が申立て費用を負担しますが、審判によって、後で本人の財産から費用をもらうこともできます。

ただし、
弁護士に書類作成や手続き代理を依頼した際の弁護士への報酬は、申立人の負担となります。

まとめ

・申立て費用・・・1万5千円から2万円くらい
・鑑定費用(鑑定が実施される場合のみ)・・・・5万円から10万円くらい
・書類作成を弁護士等に依頼する場合・・弁護士によるが10~20万円くらい
・後見人の報酬・・月額2万円くらい
・後見監督人の報酬・・月額1~2万円くらい
・付加報酬・・・・・特別な後見事務があった場合のみ。家裁が決めた額による。
・負担者は申立人だが、審判によって本人負担とすることも可能
・弁護士に依頼した際の報酬は申立人が負担し、本人の負担とはならない

金額は、あくまでも「目安」であり、実際には前後することがありますので、ご了承ください。

ただ、目安であっても知っておく方が良いので参考にしていただければと思います。

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