成年後見制度を知る~まずはこれだけ~概要~知る①

成年後見制度は、様々な決まりがあります。
一気に知ることは難しいので、少しずつ知識を増やしていただければと思います。

成年後見について今回は1回目として、制度の概要をお伝えします。

何のための制度?
使う期間は?
報酬を払う必要がある?

このような内容を知ることができます。

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エコード行政書士事務所では、遺言書の作成支援など、終活に対応する業務を行っています。

目次

成年後見制度は、何のための制度?

成年後見制度は、何のための制度か?
簡単に申しますと、
判断能力が不十分な方を、法律的な支援者を立てることによって支援する制度です。

制度の内容

制度の種類は、大きく分けて二種類です。

法定後見 

任意後見


の二種類があります。

法定後見は、すでに判断能力が不十分になっている方が対象です。

任意後見は、今は判断能力があるという方が対象で、判断能力がある間に任意後見契約を結んでおき、将来判断能力が不十分になったときに後見事務を開始するという仕組みです。

法定後見の種類

法定後見はさらに3つの種類(類型と言います)に分かれます。

法定後見の類型

・後見
・保佐
・補助


があります。
この法定後見の3類型は、支援を受ける人(ご本人)の判断能力の程度によって区別されます。
「後見」が、いちばん判断能力が欠けている類型です。

支援者の呼び方

ご本人を支援をする人は

・成年後見人
・保佐人
・補助人
・任意後見人


と言います。

ご本人について、法律上の呼び方

法定後見の支援を受けるご本人は

・成年被後見人
・被保佐人
・被補助人

と言います。

任意後見の場合、

・本人


と言います。

後見監督人について

場合によっては、成年後見監督人等が就くケースもあります。
法定後見の場合、類型ごとに

・成年後見監督人
・保佐監督人
・補助監督人

と言います。

任意後見の場合は、開始する際、監督人の選任が必須ですが、監督人を

・任意後見監督人


と言います。

ナゼ支援が必要?

私たちは、暮らしの中で、判断を求められる場面があります。

例:訪問販売、家の修繕、相続など。

必要で適切な契約ができれば良いのですが、適切な判断をできるかどうか疑問があると問題です。不利益な契約を次々としてしまう可能性があります。

判断力が低下した方を支援する成年後見人は、「判断力が低下した」ご本人に代わって契約をしたり、契約を取り消したりする権限があります。成年後見人の権限を根拠として、ご本人の不利益を排除します。

成年後見人は、代理権の他に、取消権があります。
保佐人、補助人、任意後見人は代理権がありますが、取消権がありません。

社会では契約自由の原則がありますが、成年後見制度では「不利益を被る可能性が高い人を不利益から守るために、支援が必要だ」と考えられています。

ただし、後見か保佐か補助か任意後見かによって、後見人が「できる内容」が異なります。
別記事も併せてお読みください。

回復するか亡くなるまで続く

成年後見制度を利用するきっかけは、様々なようです。

主なきっかけとして

預貯金の管理、施設入所、相続手続き

が挙げられます
(参考:最高裁「成年後見関係事件の概況 令和3年1月~12月」)。

しかし、たとえば、預貯金の解約をしたくて後見が開始した場合であっても、預貯金の解約をしたからといって、後見を終了できません。

ご本人の判断力が回復するか、
ご本人が亡くなるまで、制度の利用が続く

というのが、現在の成年後見制度です。

判断力が不十分な方を守るための制度なので、判断力が不十分なままで制度の利用を終了させることはできない、という主旨です。

報酬について~ 法定後見

法定後見の成年後見後見人等には原則として報酬が発生します。

成年後見人等が家裁に報酬付与申立てをすると、家裁が報酬額を定めます。
成年後見人等は、家裁が定めた金額をご本人の財産から受け取ることができます。

ただ、成年後見後見人等が報酬を請求しないこともできます。そのため、
親族が成年後見後見人等に選任された場合、報酬を請求しない例もあります。

成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人が就いた場合、成年後見監督人等にも報酬が発生します。

成年後見監督人等は、普通弁護士や司法書士が就きます。親族は選任されません。
弁護士や司法書士は仕事として成年後見監督人等を引き受けますので、当然、報酬を請求します。
当然に報酬が必要と思っていた方が良いです。

報酬について~ 任意後見

任意後見の場合、報酬額は、任意後見契約の内容によります

任意後見人受任者との契約は、報酬なしの契約をすることもできます。

任意後見監督人について

任意後見の契約を結んだだけでは後見事務はまだ始まりません。

任意後見契約の内容に「任意後見監督人」のことは記載しません。

けれども、任意後見が開始するときには、必ず、「任意後見監督人」が就きます

任意後見の法律の規定により、任意後見監督人が選任されることになっています。
(任意後見契約に関する法律 第1条から11条)

任意後見監督人には報酬が発生します。
任意後見監督人に報酬が生じることは、法定後見の成年後見監督人等が報酬を受ける事情と同様です。

下記の記事も参考になさってください。

まとめ

・判断力が不十分な方を支援する制度
・法定後見(後見・保佐・補助)と任意後見がある
・成年後見人等や成年後見監督人等には報酬が発生する(例外もある)

なお、成年後見制度について、法律は、「民法」と「任意後見契約に関する法律」に規定されています。
本記事に関連する主な条文は以下のとおりです。
民法7条、10条、862条、任意後見契約に関する法律(1~11条)
(e-Gov法令検索から検索しますと条文を読めます。ご興味ある方は検索してみてください。)

成年後見制度は種類があったり、細かい決まりがあったりしますので、今は大まかな決まりを知っていただければと思います。

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