終活というと
「相続」「死後事務」という
「亡くなった後のこと」が
すぐ思い浮かぶかもしれません。
けれども、実は、
終活において、
生きている間のことも大切
です。
中でも、
「物の整理」は、見落としがち
かもしれません。
なぜ、「物の整理」が必要なのか。
現場での知識を根拠にしてお伝えします。
当サイトは、横浜市中区の「エコード行政書士事務所」が運営しています。
本記事は、福祉事業所で従事した目線を活かした内容となっています。
「物の整理」=物を減らすこと ~なぜ?必要~
本記事では「物の整理」と言いますが、
一般的には「断捨離」と言われています。
自分に何か起こっても、周りの関係者が、
「喜んで片付けてくれる」なら、
物の整理をしなくても良いのかもしれません。
が、現実問題として、喜んで片付けてくれるとは、考えにくいです。
お子さんがいない方は、
頼る相手を想像しにくい
と思いますし、
お子さんがいても
「子どもは忙しいし、頼るのは申し訳ない」
と思う方が多いのではないでしょうか。
そうなると、
多くの方にとって、
自分の物を、ある程度、自分で、整理しておく必要がある
と思われます。
「物の整理をしておけば良かったのに」と思われるような、
特に切実な場面は2つあると思っています。
一つは「施設入所」
もう一つは「相続」です。
生きている間「施設入所」
元気なうちは、ご自宅で、自由に過ごすことができます。
ところが、年齢を重ねると、
体の機能や判断能力が低下し、支援を受けながらの生活を必要とする方も多くいます。
在宅のままで、支援を受けつつ、生活できれば良いのですが、
健康面・安全面から在宅が難しいケースも多くあります。
在宅が難しい方は「施設入所」となります。
施設に入所する際、自宅をそのままにできるなら良いのかもしれませんが、
実際、そのままにできないことも多々あります。
ご高齢の方のご自宅には、たいてい、物がたくさんあります。
なので、まだ生きていらっしゃる間ではありますが、
施設に持ち込めない物(施設のお部屋に入りきらない物)を処分しなければなりません。
施設に入る直前は、
すでに、ご自身で整理すること・処分することが不可能な状態である
と考えて差し支えありません。
そうなると、他人の手を借りて、お金を払って、物を処分してもらわなければなりません。
↑あまり気持ちの良いことではないように思いますが、いかがでしょうか。
完璧とまでは行かなくても、ある程度、
物の整理(断捨離。物の減量。物の処分。)をしておくと、
将来の「施設入所」の際、大いに役立つ
と思います。
亡くなった後「相続」
亡くなった後は、「相続」が発生し、
亡くなった方(被相続人)の権利義務は、包括的に相続人に承継されます。
身の回りの物も、亡くなった後は相続人に承継されます。
ところで、実際に、
ご自身の物がどれくらい相続人に引き継がれるのでしょうか?
相続人との共通の思い出の品や、高価な物でしたら、
相続人に円滑に引き継がれると予想できます。
しかし、雑誌、趣味の品物、ご自身だけの思い出の品、服、
などは、相続人が一旦引き継いだ後に、処分してしまうかもしれません。
「実物が引き継がれない」と思って良いかと思います。
ただ、相続人が処分を行うにしても、労力が必要です。
自分である程度、物の整理をしておくと、
将来の相続発生時に、相続人の負担を減らせると思われます。
物が多くなる背景
「物」は、生活を彩ってくれます。
大切な物がそばにあり、「嬉しい」と思う気持ちも大切です。
自分らしく生きるためには、ある程度の物が必要です。
ただ、特に、
高齢の方は、「多くの物」に囲まれていると嬉しい
という気持ちがあるようです。
なので、結果、物が多過ぎる状態になりがちです。
その理由について、福祉の現場からは以下のような見解を聞きます。
・今の高齢者は物資が不足する時代を経験したため、
「物があることが良いことだ」という考え方がある
・物を大切にすることが良いことだという価値観があり、
なかなか捨てられない
また、以下の理由で
高齢の方は、若い世代よりも整理が困難という面もあります。
・デジタルで管理することが難しい
(例:物を写真撮影→電子化。物を捨て、写真をデジタルで保存することが難しい。)
現在、年を重ねた中で、
大量に物がある、
どこに何があるか把握しきれていない、
普段は気にしていない物が多い、
という場合には、
物の減量を行う時期
かもしれません。
50代前後も実行。70代以上は「今」。
40代・50代・60代であっても、
例えば、
・引越しの機会もなく暮らしている
・仕事が忙しい
となると、
趣味の物、洋服、などの持ち物が多くなっていると思います。
今のうちから、必要な物だけを厳選して置いておくのも良いと思います。
とはいえ、もちろん、
「捨てて苦しくなるような片付け」は、「しない」ように
お願いします。
必要な物まで処分しないよう、無理のないように
・・と思います。
50代前後の方
50代前後の方であれば、多くの方が、
物を写真に残す → 物は捨てる → 写真はデジタルで管理
ということが可能かと思いますので、
「物を減らしてデジタル管理」も、検討されてはいかがでしょうか。
70代以上の方
70代以上の方は、
今すぐに、身の回り品の見直し
をお願いしたいところです。
理由は、以下のとおりです。
お体に支障が出る、または、判断能力が低下すると、
物の見直し・物の整理が、できなくなるから
いつかは、誰かに物を引き継ぐときが来ます。
なので、物の整理は、
本当に、
「今から!」がおススメ
です。
まとめ
・終活:「物の整理」(断捨離、物の処分、片付け)を見落とさないよう
・「物の整理」は、施設入所時や相続時に役立つ
・今から実行を
物の整理は、将来、役に立ちます。
元気なうちに実行しておきたいと思います。
将来の備え:遺言書の作成も
遺言書の作成も、ぜひ行っていただきたいです。
遺言書は、高額な財産がある人だけが対象ではありません。
財産が、預金だけ、不動産だけ、という方も、遺言書の作成をおススメします。
相続人間での話し合いを省く効果があるからです。
また、相続人間の話し合いがスムーズであるとは限らないからです。
協議が折り合わず、不仲になってしまうことは避けたいところです。
エコード行政書士事務所では、遺言書の作成支援を行っています。
後でいい・・と思っていると、なかなか作成できません。
この機会にぜひお問い合わせください。
女性行政書士がソフトに対応いたします。
当事務所は、横浜市・桜木町駅徒歩4分です。