相続放棄|期限がある~今すぐ知りたい~放棄できない事例とは

相続について、基本的な知識を別記事でお伝えしました。
(こちらの記事です→→相続とは

本記事では、「相続放棄」についてお伝えします。

相続というと、故人の「プラスの財産」を承継する
というイメージが強いと思いますが、
「マイナスの財産」を承継するケースも、少なからずあります。

制度の内容を知らないと、負の財産を承継する心配があります。

本記事の内容は、

相続に直面する前に、今すぐに知っておきたい基本的な知識

です。
ぜひ、ご一読ください。

当サイトは、横浜市中区の「エコード行政書士事務所」が運営しています。
通常の相続財産承継手続きは代行いたします。相続放棄は連携している司法書士が承ります。

目次

相続放棄

ある人が亡くなられると、相続が始まります。
相続人は法律で決まっているので、基本的に、死亡と同時に相続が始まります。

一方で、
「相続するのは困る」というケースについては、
相続放棄という制度が用意されています。

「亡くなると始まる」という相続ではありますが、

相続放棄は

法的に「相続しません」とするための制度

です。

相続放棄の手続きは、相続人が行うことができます。

相続放棄の手続きは、家庭裁判所で行うものです。

被相続人が死亡した後の話なので、あらかじめ(被相続人の死亡前に)
相続放棄をすることはできません。

参考:民法
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

相続放棄、どんな場合に?

相続放棄は、相続人が「被相続人の相続をしたくない」と思う場合に、手続きができます。

ただし、
相続放棄ができなくなるケースもありますので、この点は後述します。

財産が多くても、相続したくなければ相続放棄を行うことができます。
財産が少ない、または、負債が多いという場合も、相続放棄を利用すると良いでしょう。

逆に、財産が少ない、または、負債が多いという場合であっても、
自分の意思で、相続をしても構いません。
負債が多いから相続放棄をしなければならない・・というような義務はありません。

【重要】相続放棄するには期限がある

相続放棄をする場合は、
家庭裁判所での手続きが必要です。

ただし、相続放棄の手続きをするには、期限があります。

相続を知ってから3か月以内

に、相続放棄の手続きをしなければなりません。

相続するか、相続放棄をするか、を検討できる期間は、3か月以内だと知っていただければと思います。

自分が相続人になることを知ってから3か月以内です。
例えば

・被相続人の死亡を後から知った

・前の順位の相続人が全員相続放棄したなどの事情があったため、
 被相続人死亡から3か月以上経ってから、自分が相続人になったことを知った

と言った事例もあると思いますが、「自分が知ったとき」から3か月となります。
被相続人が死亡した日から・・ではありません。

ただ、「後から知った」という場合は、
事情の説明や大まかな証拠が必要かと思われます。

この、検討できる期間の3か月間を「熟慮期間」と言います。

相続放棄の熟慮期間について~条文~

相続放棄の熟慮期間について、民法915条に書かれています。

民法
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

財産の調査

相続するか、相続放棄を行うか。

前項のとおり、
原則として3か月で決めなければなりません。
自分に相続があったことを知ってから3か月です。

例外的に、事情がある場合で、家裁に認められれば、
「3か月間」を延長することができます。
弁護士に相談したり、家庭裁判所に相談したりする必要があります。

ただ、相続放棄をするかどうかは、考える材料が必要です。

そこで、相続人は、相続財産の調査をすることができます。

民法915条2項には
「相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。」
と書かれています。

相続放棄できなくなる事例

相続は、
人の死亡とともに始まり、相続人は法律で決まっている、というある意味オートマチックです。

そのため、相続人の意思によって相続を回避する「相続放棄」という制度があるわけですが、
うっかりしていると、相続放棄ができなくなるという危険もあります。

次のような事項は、相続放棄ができなくなる事例です。注意が必要です。

・相続財産の全部または一部を使ってしまった。(→葬儀などで気を付ける)
・相続放棄の手続きをしたけれども、相続財産を故意に隠した。
・相続を知って3か月経過したが、相続放棄をしていない。

上記は、相続について「単純承認」となり、相続人としての地位が確定し、放棄ができなくなります

根拠となる民法を以下に掲載します。

民法
(単純承認の効力)
第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

相続放棄の手続き

すでに少し触れましたが、
相続放棄は、「相続放棄します」と家庭裁判所に申述しなければなりません。

民法
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

申述と書かれていますが、書面を作成して提出することで、「申述」となります。
また、戸籍等の添付書類も必要です。

「被相続人(亡くなった方)の住所地」の家庭裁判所で手続きを行います。

受理されると、
「私は相続人ではありません」と主張できます。

ただし、相続財産が、相続人に引き継がれるまで、
管理を続ける必要があります。

家庭裁判所に相談に行く場合は、あらかじめ電話で問い合わせることをおすすめします。
家庭裁判所の相談は、予約制の場合もあるようです。

個人的には、「相続放棄」の申述は、それほど難しい書類ではないように思いますが、
心配な方や、複雑な事案の場合は、弁護士に相談し代理をお願いすることをおススメします。

おわりに

相続放棄については、「相続があったことを知ってから3か月」という期限があります。

「相続放棄という制度があること」

「3か月」という期限があること

知っておくことが大変重要だと思っています。
制度を知らなくて後悔する・・ということを避けられればと思います。

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